2004/07/04

 この一ヶ月半というもの、激務プロジェクトに投入されたせいで、車イジりの余裕はなかったのだけれど、なんか、調子が悪いのだ・・・
 アイドリングは安定せず、ウォータポンプのあたりからは「うぉ〜ん」とベルトが擦れているような音がする。
 
 とっても「ヤ」な予感がするのだ・・・
 
 一月半前、どーやら、ベルトがどこかにあたっているような感じで、「ギャリゴリ」と音がしていたので、タイベルカバーを開けたらベルトが緩んでいた話は前回書いたが、そのとき、その原因が見つけられなかったのも、前回書いたとおり・・・
 
 そして今・・・やっぱ、擦れてるのが進行しているのを裏付けるように、タイベルの破片と思われる「キラキラ」した繊維が、エンジンルーム内に飛び散っている。(-_-;)
 
 「やっぱ、マズい状況になっているよな・・・」
 
 こんな状況は、一ヶ月ぐらい前からだったのだけれど、激務に追われて、土日も無いような状況だったので、ダマシダマシ乗ってきた。
 でも、晴れて大爆発プロジェクトから開放されたので、今日こそ直します。
 
 実は、この状態を考えると、夜も寝られない状態だったのだ・・・
 一ヶ月半前、タイベルの緩みを発見すると同時に、ベルトの端がちょっと削れているのを発見したが、その時は「なんで削れたのか?」がわからなかった。
 それにもう一つ、右バンクは調子良い音がしているのだけれど、左バンクは、なにやら「チャキチャキ」と音がしているのだ。
 カムケースのあたりから発しているので、当然バルブ周りからの「打音」なのだろうけど、心当たりは・・・無いわけではない。

 「先日のヘッド交換で、カムケースを取り付けた際、もしかして、吸気バルブのシムが1つ外れたまま取り付けてしまった?」

 カムケースをとりつける際には、バルブリフタが下むいて落ちてくるので、「エイやっ」と逆さまにしてヘッドの上に置くのだけれど、どーぜん、ドンピシャでダボにはいらないので、多少左右にずらしてダボにハメる。このとき「グリグリ」とズラしている時にシムが外れ落ちてもおかしくはない。
 もしシムが外れているとすると、バルブをシムの間に隙間が開くので、バルブリフタが下がるたびに、片側の吸気バルブの頭とあたって「妙な打音」が出るような気もする・・・こーなると、吸気バルブは片側開く量が少なくなるし、なによりバルブリフタは片持ち状態なので、カムケースのバルブリフタのはまっている部分が編磨耗しそうだ・・・
 
 考えはさらに怖いほうに進み、もしかして外れたシムは、バルブスプリング周辺には残っておらず、オイルとともに流れ、バルブスプリングのある空間の前後にあるオイル穴からシリンダ内のオイルラインまで落ち込んでるかも・・・
#オイルラインは、ちょうどシムが通るぐらいの穴の大きさだったはず。

 んでんで、もしかしてもしかして、そのままツマってオイルラインを塞いでたりして・・・あ゛ぁ、ど〜しよ・・・
 もしかして、運よく、そのままオイルパンまで落ちてたりして・・・でもそーなると、オイルパン外さないといけないなぁ。

 などと、怖い空想で夜も眠れないのであった・・・(爆)

 で、事前に準備したのは、タイミングベルト(11700円)、カムケースガスケット(920円)、オイルパンガスケット(1330円)。ホントはMIEに発注したいところだけれど、タイミングベルトは一刻を争いそうなので、コーンズに電話で注文した。
#ついでにエンジンオイルドレンパッキンも2つ(1つ280円)
 これは平日に届いたのだけれど、届いた箱はかなりデカい。そのせいで送料も1000円以上。
 中をあけてみると、やはり入っているのは上記4品だけ。オイルパンガスケットの面積が大きいからだろうけど、なら高さの低い箱にしてくれてもよかろうに・・・このせいで送料が通常の倍近くになってるんだから・・・プンプン。
 
 で、今日の作業に挑みます。
#と、気合が入っているわりには、作業に入ったのは10時ぐらいからなんですけどね。(^_^;)

 まずは、「シム脱落疑惑」の調査。
 カムカバーを外して様子を見てみる。
 
 手でバルブリフタをクルクル回してみて違和感がないかどうか確かめる。どれも滑らかに回るし、穴から見える上が側のバルブシムは全部ついているのが確認できた。
 変に歪んでいれば、バルブリフタまわりのクリアランスが広がってオイルが落ちやすくなっていると思うのだけれど、そんな気配も見当たらない。
 
 う〜ん、シム脱落疑惑は、考えすぎかなぁ・・・でも「チャキチャキ」音がなぁ・・・気になる。
 とりあえず、ここはカムケースを取り外すまでの作業をするには証拠不足といった感じでしょうか・・・
 
 さしあたりシム脱落に関する調査は終わったので、タイベル周辺に手をだす。
 こちらは、これだけエンジンルーム内にタイベルの削りカスとおもわれる繊維が散乱しているので、タイベル交換は免れまい。
 ジャッキアップのあと、吸気の二股につながっている左右の吸気パイプを外し、LLCをラジエタのドレンから抜いたら、バッテリ外して、電動ファンのコネクタを外して、エンジンとラジエタをつなぐホース(上側)を外し、ラジエタの下側からつながるホースは、エンジン側のみはずし、「電動ファン−ラジエターラジエタパイプ」一体の状態で引っ張り上げます。
 ちょっと重いのだけれど、これだと、手間のかかるラジエタ下側のホースを外す必要が無いし、電動ファンを外す手間もなくて、一撃でタイベルカバーまでたどりつける。
 
 んで問題のタイベルなのだけれど・・・タイベルカバーのボルトを取り外し、恐る恐るタイベルカバーを外す。
 
 「うひゃぁ〜」

  

 こりゃ、酷い、マジでもう一刻の猶予もないよーな状況でしょうか?
 タイベル削れの状況はさらに進行し、タイベルは半分ぐらいまで削れて、テンショナのあたりではタイベルがずれてます・・・ついでにコマずれもおこしてるし・・・こりゃ調子も悪くなるわけだ・・・よく走ってたな・・・
 
 ここまで酷くなってると、原因もわからんな・・・しかたない、取り外すか。
 ちゅーわけで、例によって、裏に潜ってレンチでフライホイールを固定しつつ、クランクプーリボルトを緩め、クランクプーリーとカムスプロケを合いマークに合わせてから、テンショナを「ウォーターホース取り外し用プライヤ」でギュっと握り締めて縮め。「ううう」と右手の握力が尽きる前にすかさずテンショナが縮まった状態で固定する。
 
 で、ベルトを外す。

 ・・・っにしても暑いのぉ。すんげー日焼けしそう。ちゅーかすでに肌の露出部分は既に赤いし・・・

 もう12時だし、昼にすっか・・・と家に戻る。
 
 いやぁ、もうクソ暑いったら。昼間でもビールのまなきゃ耐えられんですな。
 とはいえ、呑みすぎると作業に支障をきたすので、コップ一杯250mlで我慢。(^_^;)
 これでは失った水分の補給が間に合わないので、あとは麦茶で補填。
 
 で、作業再開。

 「う゛っ・・・一段と暑くなってるし。メゲそう・・・(-_-;)」

 でも、こんな途中でヤメるわけにも行かないので、根性で作業再開。

 タイベルの削れカスがものすごいので、これを除去する為、エアコンプレッサを駐車場まで運び、ダスターで「ブシュー」と吹きまくり。
 オイル滲みにこびり付いている部分は、パーツクリーナで落とす。
 
 あとは新品のタイベルを取り付けるだけなんですが、原因を確かめて是正しないと、また同じ事になってしまう。
 マジマジとベルトの通り道を観察して、ベルトが擦れて削れてテカっている部分とかが無いかさがしてみる・・・
 でも、なにも発見できず。
 
 「仕方が無い、一度、新品ベルトを取り付けてみるか。」

 というわけで、スプロケやクランクの位置を合わせてベルトを取り付けてみる。
 んが、右バンクは、合いマークにあわせると、ちょうどカム山がバルブを押すような位置になるので、「ガシャッ」と戻ってしまう。
 前回、GWに取り付けた時は、なんとか合いマークの位置で停まってくれたんだけどなぁ・・・やっぱ炎天下でオイルがユルくなって潤滑されてるからか・・・
 にしても困ったな・・・レンチで固定しておけば良いのだけれど、手は2本しかないし・・・困った困った、カミさん呼ぶか?
 
 「はっ、そーか」
 
 合いマークにあわせたら、長めのメガネレンチをかけて、片側はボディに固定されれば・・・うまくいきました。合いマークで停まってくれてます。
 
 で、ベルトをかけて、ちょっと手でうごかしてみます。
 
 「う〜ん、削れの原因は・・・やっぱ分からんな」
 
 でも、このままでは蓋は閉じれない。何も変えてないのだから、システマチックに考えれば必ず同じ事になるはず。
 どこかに原因があるはず・・・
 
 とはいえ、やはり「観察する」しか手段がない。

 ん〜〜〜〜、暑くてブったおれそうになってきた・・・3時のお茶にしつつ頭を冷やします。
 う゛〜、アイスコーシーがウメぇ。

 で、観察再開。
 じ〜っくり診る。あらゆる角度から、ナメまわすように観察する。すると・・・
 
 「おぉぉぉ、これはぁ!!!」
#やっぱ、冷静になるのは重要です。

 テンショナプーリーが、斜めになっていて、フランジの端がベルトにビミョーにあたるような状態になっているではないか!!!
 これなら、徐々に削れたのも納得ができるし、削れてテカテカになっている部分が見当たらないのも納得がいく。
 
 にしても、なんでテンショナプーリーが斜めになっているんだ?
 そもそも、前のタイベルは綺麗な状態だったので、タイベル交換前はこんな状態ではなかったはず・・・
 
 「はっ、そーいや、ウォーターポンプは交換したな」
 
 テンショナは、ウォーターポンプに切られているネジ穴に取り付けるのだ。
 この前、テンショナベアリングは交換したけれど、プーリー自体が少しとは言え斜めになっているので、ウォーターポンプ側のネジ穴が斜めに切られていたとしか思えない。
 MIEリビルトウォーターポンプ・・・侮れないな・・・次回からは注意しないとね。
 
 で、どーする?
 ネジ穴を切りなおす事なんてできないし、またウォーターポンプを注文して届くのなんて待ってられないし。
 となったら、テンショナの軸を曲げてでも真っ直ぐにするしかないッスね。
 
 ちょっとゴーインなんですが、巨大ハンマーで軸をガンガン叩いてみます。ベアリングが破損したら元も子もないので、そのへんは注意して、ガンガン叩きます。
#「ちょっと」じゃないッスかね・・・やっぱ・・・自分でもソー思います。(^_^;)

 何度かガンガン叩いた結果、真っ直ぐに修正完了。

 一応、原因もわかり、その原因も(たぶん)取り除いたので、再度ベルトをとりつける。
 さすがに3度目ともなると、慣れてきますね。(^_^;)
 
 左右のスプロケとクランクにベルトを通して、テンショナプーリーの部分を最後に通すようにすると楽にベルトが掛けられます。
 テンショナの固定ボルトを緩めてバネが伸びたら、その状態でクランクを手で時計回りに少しまわしてやると、ベルトの緩みがなくなります。その状態でテンショナを再度固定します。
#とはいえ、DIYなので自己責任なのは言うまでもないのですが。

 最終的に左右スプロケと、フライホイールの合いマークがピッチリあっている事を確認して、タイベルカバーを閉じる。
 んが、閉じる前にちょっとだけ工夫をしました。

 これで、タイベルの状況が見える。
 さーて、夕刻も迫ってきたのでらすとスパート。
 クランクプーリーボルトを固定して、オルタネータベルトの張り調整して、「電動ファン−ラジエタ−ラジエタパイプ」一式を元に戻し、バッテリつないで。作業に漏れが無いか最終チェック。
 
 で、LLCを入れて、始動してみます。
 
 「キュキュ、ばぉぉぉぉぉ〜ん」
 
 い〜感じでエンジンはかかりましたね。
 タイベルケース周りからの異音はなし。
 水モレ等もなし。
 ただし・・・やっぱ左バンクからは「チャキチャキ」音がしてる・・・う〜気になる〜。
 
 とはいえ、暖気も終わって、アイドリングも安定。ベルトを交換する前に比べると、見違えるように安定してる。

 一旦エンジンを止めて、ジャッキから車降ろして片付けして、手を洗って、試運転にでかけます。
 
 昨日までが、メチャメチャ調子が悪かったので、比較対象にならないのだけれど、そりゃもーメチャメチャ調子良いです。
 約2ヶ月前のヘッド交換と燃料フィルタ交換の効果が今はじめて両方合わせて体感できてる感じ。
 
 しばらくは安心して楽しめそうです。

#でも「チャキチャキ」音は気になる・・・