なぜ MASERATIなのか
私がマセラティをはじめて知ったのは、他の同世代の人がそうであるように、10ン年前小学生の頃のスーパーカーブームで、「ボーラ」とか「メラク」とかで知った。その頃は、純粋にスーパーカーにあこがれ、「運転したい」とか「欲しい」といった欲望はなかったし、輸入車に乗る人は遥か雲の上の人と思っていた。
その後、大学生になって、自分で車を運転するようになり、運転することや所有することに対して欲望を持つようになった。運転も上達するのが楽しくて、峠も毎週のように攻めたし、サーキットで走ったりもした。
そのころの私の車の基準はなにより「速い」ことで、「やれパワーが・・・」「やれ足が・・・」などと青いことを言っていたし、欲しい車は「RX-7」とか「スカイライン」とか「Z」とか国産のスポーツモデルだった。
フェラーリのような国産に比べてものすごくパワーのある輸入車は魅力的ではあったけれど、輸入車は大金持が乗るものと思っていたし、逆に国産よりパワーのない輸入車なんてなんの魅力も感じなかった。
遅いくせに、よく故障して、しかも高い、そんな物に金をかけるなんて金持ちの道楽は理解できんとそのころは思っていた。(^_^;)
そんな私の考えを変えたのは、大学生時代に先輩の下宿で読んだ漫画、西風氏の「GT
Roman」。速いばかりが車ではない、他の車と競うんじゃなくて、自分が乗ってて「楽しい」と感じる事。
「楽しい」と感じるのは、人それぞれで「速い」だったり「軽快に曲がる」だったり「内装豪華」だったり「調子悪いところを直す、レストアする」だったり「そもそも持っていることの喜び」だったりイロイロあるけど、どれにしたって、以前と決定的に違っていたのは基準が「他人と競う」ではなくて「自分が楽しい」というところ。
大学生時代末期には完全に、次に買う車は遅くてもいい「自分が楽しい」輸入車にしようという気持ちになっていた。(^_^;)
とはいっても、大金持ではないから、高い車は買えるわけなし。私の感覚では300万が大金持と一般人の境目だったから、ターゲットは300万以内となる。
就職は東京だったので、車があったとしても乗るのは週末のみ、結婚もしてなかったし、その予定もなかったし、せっかくだから独身の時にしか乗れない2シーターで300万以内。ターゲットは、X1/9、ヨーロッパ、エスプリ(ちょっと苦しい)、124スパイダ、アルファスパイダ等々・・・でもやっぱ、X1/9が魅力だった。
ミッドシップなのに、屋根が入るほど広いラゲッジスペースもあってある程度実用的だし、軽快に曲がりそうだし、値段も極上品でも200万は超えない。
「次はX1/9」のつもりで着々と準備(整備書買うとか情報集めるとか)を進めていったけれど・・・人生、突然線路が切り替わって結婚することになる。
#人生って何があるかわかんないよねぇ。(^_^;)
結婚するからには2シータはダメで、最低4座で、週末には買い物に行ける車が条件となる。希望としては、「4座」「オトナの雰囲気」「ゆとり」で、付け加えたように「スポーツ」となる。
あんまし走ってない車で、伊車か英車か仏車で上記条件にあてはまるもの・・・
「GT Roman」で読んだBiTURBOが一瞬頭に浮かんだが、高いと思ってすぐ消えた。でも、中古車雑誌でみてみると・・・あれま、300万クラスではないですか!!
もう完全にターゲットはマセラティに決まりました。
少年のころあこがれた、あのマセラティに!
あの豪華内装ステキ!
ツインターボで加速もステキそう!
でなおかつ条件に当てはまる
その時から、情報集めがはじまる。
就職してから、東京では車に乗っていなかったけれど、結婚して車が必要になったので、学生時代に乗っていた平成元年式アルトワークスを実家から持ってきて乗っていた。こいつの車検が切れるのが平成9年7月、それまでにはマセラティを買うつもりで計画。
どうやら、AT車ばかりで、希望のMT車は少ないようなので、探すのに最長1年として、平成8年7月から「買うつもり」で探す事にして、それまでを貯金期間とした。
金額から考えて、ターゲットは222EかSE、ちょっと予算オーバーだけど、4Vも気になる状態で時は流れて、
平成8年7月、いよいよマセラティ購入のために動き出す・・・
「MASERATIな日々」で続きはどうぞ。