「ヒューズボックス」

 現行ギブリより前のビトルボ系のトラブル原因の大御所(^_^;)、それがヒューズボックス。

 電装系はほぼ全てこのヒューズボックスを通っているため、ここが具合悪くなると、いたるところに不具合が発生する。

 あるときは、エンジンが突然止まり、またあるときは、ウインカが出なくなり、さらにあるときは、テールランプがつかなくなり・・・・
#挙げればきりがないけれど、
#ヘッドライトが付かなくなるとか
#フューエルリッドが開かなくなるとか
#・・・(^_^;)

 私個人的には、ビトルボ系故障神話は、このヒューズボックスのせいなのではないかと思うほど、ヒューズボックスに限っては信頼性が悪い。(-_-;)

 症状は接触不良なのだけれど、パターンとしては2パターン。
 一つは、配線コネクタと、ヒューズボックスの接続部分。
 もう一つは、ヒューズボックス内部の端子のハンダ割れ。

 接続部分の接触不良は、基本的に端子を磨いて、接点復活剤でOKだけれど、
 ヒューズボックス側の接点は、奥まっているので、ヒューズボックスを外して分解してやらないと、磨くのは難しい。(-_-;)

 もう一つのパターンである、ヒューズボックス内部のハンダ割れはちょっと厄介。(-_-;)
 ここでいう「ハンダ割れ」とは、基盤に金属接点を固定しているハンダが、劣化により、金属接点から外れてしまうもの・・・
#はじめから「イモハンダ」状態のも含む

[なぜハンダ割れがおきるか]

 通常、基盤にハンダ付けされたものは、割れることはない、なぜなら、ハンダで固定する金属端子がささる基盤が堅い物質でできているから・・・
 基盤は固くて、金属端子が「グラグラ」と動くことがなければ、数年でハンダ割れを起こすといったことはない。

 が、222(含む430,228,Spyder,Karif)のヒューズボックスは違う、内部の基盤はフィルム基盤でフニャフニャ、しかも、金属端子を固定しているのはボックスのケースそのもので、ボックスケース自体も比較的柔らかめのプラスチックで作られている。

 

 つまり、ヒューズボックスにささっているコネクタが動けば、ボックスのケースが柔らかいので金属端子が「グリグリ」と動き、内部の基盤もフィルム基盤なので「グリグリ」動き、結果ハンダ部分が金属疲労で割れる・・・で接触不良を起こす。

 つまり、コネクタを抜き差しするたびに、上記事象が起こっていることになる・・・(-_-;)
#イジる人、修理に出す人程、壊れやすくなるわけ・・・
#何も不具合がないのならば、さわらぬ神にたたりなし・・・ってか。(^_^;)

 さらに悪いことに、少なくとも、私の固体ではヒューズボックス内のハンダ付けがほぼ全てイモハンダ状態であった・・・
#これでは接触不良しない方がおかしい・・・(^_^;)

 なぜか?

 私の固体のヒューズボックスにハンダ付けされていた金属端子は、一度外してみてわかったのだけれど、もう一度ハンダ付けしようとして、ハンダがのっていた部分に再度ハンダ付けしようとしても、うまくハンダがのらなかった。
 これは、表面が腐食していることを意味しており、ハンダが製造当初からちゃんとのっていなかったことをも意味している。(-_-;)
#製造されてから腐食したのなら、ハンダがのっていた部分は腐食していないはず。
 全金属端子を外して調べてみると、ほぼ全ての金属端子の表面が腐食した状態でハンダ付けされていた・・・

 対策はタダ一つ、「ちゃんとハンダしなおす」しかない・・・
#少なくとも私は、新品に交換しても信用しない・・・

 単に、金属疲労でハンダが割れている場合は、ハンダしなおせばいいのだけれど、腐食している場合は、またイモハンダとなって信用できないので、金属端子をボックスから外してペーパーで磨いて腐食を取り、念のためフラックス(洗浄剤)を塗って、金属表面をキレイにしてからハンダしなおす。

 金属端子は全部で150本ほどあるので、ヒューズボックスの脱着を含めると、丸1日作業になるけれど、文頭の症状に悩まされているようなら、それだけの価値はあると・・・

 ヒューズボックス内のハンダ付けは、30W程度のハンダゴテと普通のハンダ(私はアルミットという会社のを使ってます)があれば作業可能、さらに、ハンダ吸取り器(スポコンタイプ、2000円程度)があれば端子の取り外しが楽。
 金属端子の間隔も広く、技術的には、中学校の技術家庭より簡単なレベル。(ラジオとか作りましたよねぇ)

 順序が逆になったけれど、ヒューズボックスの取り外し手順。

 ヒューズボックスは、助手席側のグローブボックスの奥にあり、室内からとエンジンルーム両方に面しており、双方からコネクタで配線されている。

 グローブボックスを外したら、奥に、コネクタのイッパイささったヒューズボックスが見える。

 コネクタ類を外すまえに、バッテリ端子を外しておくことと、「窓がしまってる事」を確認する。
#ヒューズボックスを外すと、窓が閉めれません。(^_^;)

 窓を確認したあと、どこにささっていたかをメモしながら、ヒューズボックスのコネクタを次々と外す。
 ヒューズボックスの四隅についてるリレーらしき「黒の物体」は、右上だけ種類が違うので注意。
#3つはリレーだけれど、種類の違う一つはダイオードが入っている

 室内からコネクタとリレーを外したら、今度はエンジンルーム側。
#ヒューズボックスを固定してるナットは、エンジンルーム側からナット4つで固定されている。

 エンジンルーム左奥のリレーの集団の下あたりにヒューズボックスの配線がある。
#なんてところにあるんじゃ。(-_-;)

 コネクタ類は、黒いプラスチック製のカバーで覆われており、コレを取り外さないと、コネクタを外すことができない。

 カバーは、ブーストコントロールバルブ(リレー集団の右隣の円筒形で3本足のやつ)やクーラーガス注入バルブの奥にあり、ヒューズボックスを固定するボルトの右側2本にナット止めされているのではずす。

 カバーは、奥地から取り出すのに、苦労するけれど、この周辺には燃料ホースとかもあるので、強引に引っ張ったりすると、ホースを傷つけたりしてヤバいことになるかもしれないので慎重に・・・
#私は、燃料ホースを傷つけて、燃料漏れ起こしました。(^_^;)

 カバーを外しただけでも、ヒューズボックスにささっているコネクタのいくつかは外せるのだけれど、エンジンルーム左奥のリレー集団の下に残りのコネクタと、固定ナットがあるので、リレーも外す。
 コネクタを外すときは、もちろん、どこにささっていたかメモ必要。(^_^;)

 どのリレーがどのソケットにささっていたかをメモしながらはずし、リレーソケット自体も配線ごと取り外す。
 とはいっても配線はそんなに延びないとおもうので、リレーソケットはちょっと浮く程度。
 なので、手がなんとか入る程度の空間しかない・・・

 手探りでコネクタと、固定ナット2本を外す。

 これでヒューズボックスを取り外すことができる。
 あとは、家に持ち帰り、分解再生手術を行う。(^_^;)

 取付けはこの逆の手順で行い、取り外すときにとったメモにしたがって、コネクタやリレーをハメる。

 これで直れば、バンバンザイですね。