「ECUに使われているチップ」
解析を行うにあたって、最低限必要なのがCPUに関する資料。
222系ECUに使われているCPUは、モトローラ製組込機器用CPUのMC6803U4(もしくは他社相当品)。
プログラムを読むには、CPUのインストラクションセットが最低限必要なので、どこからか入手する必要があるのだけれど、今やこの手の物は大抵インターネット上で手に入る。が、対象のチップが古かったり、メジャーでなかったりすると、なかなか資料が転がってない。(-_-;)
MC6803U4はモトローラの8bitMPU「MC6800」と命令セット互換で、「6800」といえば、1970年代終わりの日本の初期のマイコンでも使われたCPUなので、ちょっとはメジャーなCPUだけれども、今となってはメチャメチャ古いので、やはり資料は少ない。
モトローラの8bitといえばやはり、「6809」が有名なので、「6800」はちょっと脇役。しかもその派生になる「6803」では・・・資料は皆無といっていいほど・・・
さらにその上、その「6803」の組込み用となる「6803U4」では・・・全く資料は見当たらなかった。(-_-;)
ただ、「6803」に関しては、「Chip Directory」にピン配列と機能概要、インストラクションセットがあったので参考にした。
でも、やはりこれでは足りない部分もあり、結局、モトローラジャパンに電話してスペックシートを送ってもらいました。(^_^;)
さて、他に使われているチップは、Analog/DigitalコンバータのMC14442や、タイマーコントローラのMC6840。これらのチップのスペックシートも一応手にいれたけれど、今のところ必要に迫られないので見ていない。
で、肝心のROMチップなのだけれど、
点火系(MED602)は、「2764」、燃料系(IAW04C)は「27128」の型番のEPROM。
ROMというのはRead Only Memoryなので、通常、読み取り専用に使用されるメモリチップなのだけれど・・・EPROMの「EP」とは・・・
「E」はEraseable、「P」はProgrammableで、「消せて」「書ける」ROMって意味です。
#ぜんぜん「Read Only」じゃないじゃん!って私には言わないで。(^_^;)
チップにガラス窓が付いていて、そこから紫外線を当てると、ROMの内容を消すことができ、なおかつ高電圧(といっても、21.5vとか12.5v程度ですが)をかけることで書きこむこともできる。
しかも書きこんだ内容は、電源を切っても消えない。・・・
最近は、紫外線なんかあてなくても電気的に消去可能なEEPROMやフラッシュメモリなどの便利メモリがあるけれど、10年、20年ぐらい前は、読み書き可能なROMといえばEPROMが代表格だった。
EPROMの中でも代表的なのが「27xx」シリーズ、「xx」の部分は容量をあらわしていて、「2708」ならば、8Kbit(1KByte)のEPROM、「27512」ならば、512Kbit(64KByte)のEPROMとなる。
222系に使われているのは2764と27128なので、ぜんぜん特殊なものではなく、それぞれ64Kbit(8KByte)、128kbit(16KByte)の容量の汎用的なEPROM。
書き換えたデータを記録するEPROM(生ROM)は、秋葉原などのパーツを売っている店で、どんなに高くても1000円以下。中古ならば200円ぐらいで売っているときもある。
とりあえず、解析が終わって、書き換えて実車で試す段階にならなければ、生ROMは必要にはならないでしょう。(^_^;)
#まだ道は長い・・・