2001/06/02

 土曜日なので、とりあえず家の掃除・・・
 朝は曇っていたけれど、午後から晴れてきた。

 「あづい・・・(-_-;)」
#最近めっきり暑くなりましたなぁ

 昼食に溝ノ口にあるラーメン屋に行って、帰りに買い物して帰る事にした。
 エアコンが効かないので、だいぶ暑いけれど、車自体は快調だ。
 先日投入した「PEAエンジンコンディショナー」が効いているのか、気持ち的にはエンジンのフケもスムース。
 心配の種だったミッションのドレンボルトも、とりあえずはダイジョウブだという事がわかったし、だいぶ気が楽な状態だ。

 ラーメン屋前のTimesに停めて、ラーメンを食して出てくると、もう車内は灼熱地獄・・・「あづぃ〜(-_-;)」

 で、エンジンをかける為にキーを捻るが・・・「またか(-_-;;;)」

 セルが回らないのであった。
 最近、ちょっと暑い時に乗ると、すぐコレだ・・・かなり頻繁になってきている。スターターリレーの直結ですぐエンジンはかかるし、直結用の配線を常備しているという事からも、ズボラな私的には、放置していたのだけれど・・・

 とりあえずは、直結でエンジンをかけ買い物に向かう。

 スーパー近所の駐車場に停め、帰ってくると・・・

 「まただ・・・(-_-;)」

 また直結で。(^_^;)
#イーかげん、カミさんの目が気になる。

 家に帰ってきてから試しにエンジンをかけてみるが、やはりダメ・・・どうやら完全にダメになってしまったみたい・・・

 明日はMCJのタイムラリーだし、途中で直結でエンジンかけるのもヤなので、そろそろ本気で直しますかね。

 家に帰ってきてから、アイスコーヒーを飲みつつ配線図と睨めっこ。で、わかった事は、

 ・キーシリンダーのコモン端子にはバッテリのプラス電源が来ている
 ・キーを「セル」の位置にした時の配線は「赤白」で、キーシリンダからヒューズボックスまで行っている。
 ・ヒューズボックスからは素直にスターターリレーまで繋がっている。

 この事から原因として考えられるのは・・・

 ・キーシリンダ自体の不良
 ・キーシリンダからヒューズボックスまでのコネクタの接触不良
 ・ヒューズボックスのコネクタの接触不良
 ・ヒューズボックス自体の不良
 ・どこかの断線

 さて、もう時間は既に3時半を過ぎている。洗車もしなきゃならないし(^_^;)、あまり時間は無い。
 コネクタの接触不良ならば、端子を磨くだけで済むけれど、それ以外が原因だったとして、磨いた後に偶々エンジンがかかってしまったりしたら、原因として断定できないので、ココは一発、短時間で確実な方法を取る。

 「スターターの配線を新たに引きなおす」

 だ。

#いやぁ〜、多分ヒューズボックスだとは思うんだけどねぇ・・・ちょっと今からじゃ時間足りなすぎ。(^_^;)

 配線図を持って駐車場に向かい、時間も無いので早速バラしにかかる。
 キーシリンダから、ヒューズボックスまでの配線の間には6ピンのコネクタがある。まずはこのコネクタの状態を調べる。
 メーターナセルを外して、キーシリンダ周りのカバーも外して、キーシリンダから伸びてきてナセル下に転がっているある6ピンのコネクタを外す

 コネクタのコモン端子(確か茶色)とセル位置の端子(赤白)の間にテスターをあてて、キーを回したときに導通がある事を確認。
#キーシリンダの不良では無いらしい。

 6ピンのコネクタは一応念のため磨いて元に戻し。今度はヒューズボックス側。
 キーシリンダからの赤白の配線は、ヒューズボックスの室内側で左列の上から2番目の大きなコネクタの左から4番目に繋がっている。
 確認すると、確かに、左から4番目は「赤白」の線だ。
 コネクタを外して、コネクタの4番目の端子にテスターをあててキーを捻ったときに12vが来る事を確認。
#断線もしていない・・・

 どうやら、原因がヒューズボックスである可能性が濃厚になってきた・・・(^_^;)

 というわけで、ヒューズボックスの手前からスターターリレーまでを新規に配線しなおす。
 エンジンルームと車内の間を通せるような穴はないかな?と探してみると、助手席足元のエンジンルーム内からECU用の配線を通している穴の下あたりに直径1.5cmぐらいのゴム蓋してあった。
 外してみると、直径1cmぐらいの穴が・・・
 というわけで、ココから配線を通す事にする。

 新規配線の片側は、先のヒューズボックスコネクタの「赤白」の線に接続。もう反対側はスターターリレーの85番端子に接続。
 これで、スターターリレーへの配線は二重化されたことになるはず。

 キーを捻ると無事にセルは回り、エンジンがかかった。\(^O^)/

 アッサリ片付いたところで、明日の為に洗車洗車。(^_^;)
 いやぁ、洗車にはイイ季節になりましたなぁ。水がとっても体に心地よい涼しさ。

 水洗い後。軽くワックスもかけて仕上げ。水切りも兼ねてガソリンスタンドに行って満タンにして、帰ってきてから飛び散った水を拭いてお終い。

 さぁ〜て、明日の準備も整って。あとは明日頑張るだけですな。

 ・・・・・・っと

 いつもなら、ココで終わるのだけれど・・・今日はコレでは終わらない。(^_^;)

 先日、極楽とんぼさんとこの「マセラティメーリングリスト」でエアコンパネル内のICが焦げてダメになるというのが話題に上った。
 幸い自分のエアコンパネルでは遭遇していない症状だけれど、
#単にエアコンをあんまし使ってないからかも・・・(^_^;)
 222Eの勘山さんのエアコンパネルも同様の症状だったし・・・これはちょっと調査してみる価値があるかなと思って、調べてみました。

 焦げるICはエアコンパネル内で使用されているSTマイクロエレクトロニクス社のL293Dという16ピンのIC。これは「4チャンネル・プッシュ・プルドライバ」という機能名称がついているのだけれど、結局のところ、小信号からモーター等の大電力を駆動する為の増幅器のような物。

 データシートを見ると、一応、ステッピングモーターのコントローラーが本来の使い方のようだけれど、マセにはステッピングモーターなどは使われていない。たぶんリレー駆動に使っているんだと思う。

 なのでとりあえずは、このICの先に繋がっているであろうリレーの消費電力を調べる。

 回路を追っていないので、まだ断定できないのだけれど、このL293Dは「4チャンネル」なので最大4つのリレーが繋がっている可能性がある。

 さて、リレー1個あたりの消費電流を調べてみると、BOSCHのヒューズ無しのタイプも、ITALMETICのスティックヒューズ付きのタイプもどちらも13.5vで150mA程度の電流が流れる事がわかった。(実測)
 13.5vで150mAなので、

  電力 : P
  電流 : I
  電圧 : E

  P = IE よりリレー1個が消費する電力は、

  P = 0.15 x 13.5 = 2.025W

 となる。さて、リレーの消費電力はわかったけれど、じゃあ実際、L293Dは今の実装状態で熱的にどれ位の消費電力まで耐えられるのか?
#チャンネルあたりの最大出力電流は600mAなので電流的には定格を満たしている。

 STのWebページに載っている同ICのデータシートをマジマジと読む。
 なんとなく「放熱板をつけろ」と書いてあるように読めるのだけれどエアコンパネル内のL293Dには放熱板などは付いていない。

 もっと突っ込んで、「じゃあ、どれくらいまでなら、放熱板は必要ないのか?」を調べてみると。

 データーシートには「熱抵抗」というキーワードが書いてある。「接合部−周囲間最大熱抵抗」は「80℃/W」となっている。

 「う〜む・・・意味不明ヽ( ´ー`)丿」

 でも、真面目に調査続行。今までマトモに放熱設計などした事なかったのだけれど、ココとかを読んでみると、この熱抵抗値と「接合部動作温度範囲」でチップが耐えれる消費電力が決まるらしい。
#L293Dの接合部温度範囲は「-40度〜150度」

 L293Dのデータシートを確認すると、放熱板等の処理をすると放熱板の大きさにより熱抵抗が下がるグラフが載ってる。、マセのエアコンパネルに実装されているL293Dの場合は、放熱板無しなので「最大」の「80℃/W」としてイイと思う。

 で、最大消費(可能)電力は。

 最大消費電力 Pmax
 接合部最大温度

Tjmax

 周囲温度 Ta
 接合部−周囲間最大熱抵抗 θja

 とすると、

 Pmax = ( Tjmax - Ta ) / θja

 で求められるらしい。
 上記「Ta」で表される周囲温度なのだけれど、エアコンパネル内の温度ってどれくらいだろう・・・夏の気温なら30度は超えるだろうし、あの位置なら熱源も豊富なのでおそらく50度ぐらいにはなっているのではないだろうか?最低でも40度はいってると思う。

 というわけで、

 Pmax = ( 150 - 40 ) / 80 = 1.375W

 となり、パネル内の温度が40度の時には、IC的には1.375Wまでは耐えられるという事になる。

 「おおおっ? 1.375ワットぉぉ!?」

 さっき、リレー一つあたりの消費電力は2.025Wだった、1つでもう許容限界超えてる・・・(-_-;)

 データシートに記載されている限界数値は余裕を持って書いてある場合が多いので、多少超えてもダイジョウブなのだろうけど、いくらなんでもコレは超えすぎな感じ・・・
#計算が間違ってるのかな?(^_^;)

 もうちょっと緩い条件で、仮にパネル内の温度が気温と同じだとして30度と仮定、ICがはんだ付けされているプリントパターンも多少の放熱効果があるとして、熱抵抗は70℃/Wと仮定すると・・・

  Pmax = ( 150 - 30 ) / 70 = 1.714W

 ・・・(-_-;)。やっぱリレー1個分も苦しい。

 仮に、データシート通り下図のような放熱板をつけたとしたら、


L293Bのデータシートより

 こんなんでも熱抵抗が30℃/Wもあるようなので、接合部-ケース間の熱抵抗値14℃/W(データシートに記載)と合わせて再計算してみると・・・

  Pmax = ( 150 - 30 ) / ( 14 + 30 ) = 2.727W

 これだと、なんとかリレー1個ぐらいまではちゃんと駆動可能そう。
 やっぱ、放熱板をつけますかね・・・
#10℃/Wぐらいの放熱板つければ、計算上、リレー2個ぐらいは行けそうだし・・・

 あと気になっているのは、L293Dのデータシートには、「加熱保護回路付き」と書いてあるのだけれど、どのように加熱保護されるのか書いてない。
 やっぱ、限界まで熱くなったら回路をオフして消費電力を抑えるんですかねぇ・・・

 だとすると、計算上こんな低い限界数値なのに正常に動作するのはおかしいような・・・やっぱ計算間違えてるのか?
#熱抵抗のえらい人・・・どうか教えてください。m(_"_)m

 放熱板を付けるにしても、もう今日は作業してる時間は無いので、また次の機会ですな・・・
#どーせガス抜けててエアコン効かないし。(^_^;)